【監理技術者】機械器具設置の実務経験を証明するには

監理技術者とは

元請負の特定建設業者が当該工事を施工するために締結した下請契約の請負代金総額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)になる場合に当該工事現場に専任で配置される、施工の技術上の管理をつかさどる技術者のことです。

監理技術者について | 一般財団法人 建設業技術者センター (cezaidan.or.jp)

上記に該当しない場合、元請として現場に配置する技術者は、主任技術者です。

上記は元請の立場での話なので、4,500万円以上でも、ご自身が下請けの立場なら配置する技術者は主任技術者となります。

つまり監理技術者を配置する必要があるのは元請けのみとなります。

監理技術者になるには

機械器具設置工事の場合、監理技術者になるためには、実務経験を証明する必要があります。

証明する相手は、発注者ではなく、一般財団法人 建設技術者センターです。

一般財団法人 建設技術者センターへ申請し、認めてもらうことが出来れば、『監理技術者証』を発行していただけるのです。

元請は工事発注者に 『監理技術者証』 カードのコピーを提出することで、技術者が監理技術者資格を有することを認めてもらいます。

こうした実務経験で監理技術者になれるのは、指定建設業以外の22業種になります。

例えば内装仕上げ工事、電気通信工事、水道施設工事、清掃施設工事などです。

22業種以外の7業種、つまり指定建設業では1級国家資格がなければ、監理技術者になることは出来ません。

実務経験とは

機械器具設置工事に従事した証明です。

いわゆる実務経験で、元請・下請どちらの経験でも問題ありません。

請負金額も問われませんので5万円の工事でもカウントできます。

当然ですが経験となる機械器具設置工事とは何なのかも押さえておく必要があります。

機械器具設置工事とは

機械器具の組み立て等により工作物を建設し、または工作物に機械器具を取り付ける工事

プラント設備工事、集塵機器設置工事、揚排水機器設置工事などが該当します。

機械器具類の設置でも種類によっては電気工事など他の業種に区分されます。どの業種にも区分できない、機械器具や複合的な機械器具の設置が機械器具設置に該当しますので、経験内容は慎重に精査することが必要です。

そして、必要な実務経験年数は

大学等の指定学科を卒業した場合 3年

高校等の指定学科を卒業した場合 5年

それ以外・・・・・・10年

が必要な経験年数となります。

こういうことは、専攻を決める時に教えて欲しい情報ですよね。

建設業に携わったあと聞いても、手遅れです。

3年と10年はあまりにも差がありますね。

指定学科は建築学に関する学科、機械工学に関する学科です。詳しくは建設技術者センターの手引きに記載がありますので、確認してください。

2021年10月に手引きが改訂されました。

手引き(新規/実務経験) https://www.cezaidan.or.jp/news/194.html

手引きに記載のない学科は、個別確認が必要ですが、私の経験では事前審査はして頂けませんでした。

微妙な学科の場合、申請するまで必要な実務経験年数がわからないことになりますので、注意が必要です。

指導監督的実務経験とは

先ほどの実務経験とは違いこちらは

元請での経験

4,500万円以上の工事

指導監督的な立場の経験

となります。

かなり難易度が高いと思います。

ここで諦めるかたも多いかと・・・

指導監督的立場とは

工事現場主任や現場監督などが該当します。

実務内容としては工事全体の技術面を総合的に指導監督した(工程管理、品質管理、安全管理、技術上の指導監督をおこなった)経験であることが必要です。

必要な経験年数は2年となりますが、上記の実務経験との重複は可能です。

つまり、高卒指定学科卒業の場合は、実務経験5年間のなかに、指導監督的実務経験が2年間あれば、申請出来ることになります。

経験の証明者は?

証明者

原則、会社の代表取締役になります。

前職の証明者は全職場の社長さんになります。

説明できる者

証明者は実務経験証明書には『説明できる者』を記載する必要があります。

証明書の内容について建設技術者センターから電話等で『説明できる者』に対し確認を行います。

説明できる者は実務経験の証拠となる書類を準備しておく必要があります。

もちろん申請本人以外で証明する企業に所属し、責任ある管理職の方が該当します。

証明するための資料

証明にはエビデンスが必要になります。

工事内容を証明するには

公共工事であればコリンズ工事カルテの写し。

民間工事の場合は工事経歴書、請負契約書が必要になります。

申請者の立場を証明するには

公共工事の場合はコリンズ工事カルテをもって証明します。よってコリンズに現場代理人等の立場で申請者の名前が記載されてなければなりません。

民間工事の場合は、施工体制台帳のコピー、施工体系図のコピー、工程表、工事仕様書のコピーが必要になりますので、申請に備えて工事書類を整理し保管しておく必要があります。

虚偽申請などには気を付けて

昨今、問題になっているの虚偽経験での申請です。

報道などでたまに見かけますが、虚偽が発覚した場合、行政指導など重い処分を科せられるため注意してください。

また、書類等に不備がある場合は申請が認められません。申請内容に問題はないか必ず社内審査することをお勧めいたします。

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